2015-01-01から1年間の記事一覧

患者の本音募集中?

先日の朝日新聞に精神科開業医の夏苅郁子先生が患者の本音を集めるサイトを開いた、と記事が載っていた。http://natsukari.jp/を開いてみると、「精神科医の一人一人に患者さんの本音が伝わることで、毎日の診療が良い方向に変われる」と動機が記されてあっ…

バモイドオキ神再降臨

東慎一郎(32歳)が、西岡真の名前で「絶歌」と題した手記を出版し、今話題になっている。彼は18年前に土師惇君の首を刈って校門に曝した酒鬼薔薇聖斗だ。彼は2005年に少年院を退院し、その後は大方の予想通り定職にもつけずに引きこもりの生活をしているよう…

また、自殺が東電の責任に

福島の原発事故で避難生活中に自殺した五十崎喜一さんの裁判で、潮見裁判長は、避難生活によるストレスなどでうつ状態になったとして、原発事故と自殺の因果関係を認定し、東電は避難者の中に自殺者が出ることについても予見可能だったと指摘し、原告の遺族…

新患さんは家庭内暴力

先日の新患さんは19歳♂、家庭内暴力。病院をアチコチ転々としている様子。「患者本人が家出すると興奮しているのを父が体を張って止めている、どうしたら良いか」と母が当院に電話してきて、「診察しないと何とも言えない」と断ったら、外来に親子3人でやっ…

同級生が教授に

大学の時の同級生がこの度目出度く母校の教授になって、祝賀会に行って来た。久しぶりの同窓会のような雰囲気で、懐かしい気持ちがメインではあったが、知らない間にエラクなっている人が多くてビックリした。色々肩書のついた名刺もたくさん貰った。肩書の…

事故?自殺?

60歳統合失調症のHさんの死亡の報告が入って来た。裏山の崖からの転落死と言う事であった。登校拒否状態で東大に合格し、20歳で発症したが卒業し、7回再発・入院しながらも結婚し子供を生み育て、公務員を勤め上げた猛者だ。「何時死んでも後悔しないように…

絆が切れた時

50歳♂躁鬱病のIさんは父(認知症→骨折→肺炎)の死亡後1か月で躁状態で再発し入院した。60歳♀統合失調症のKさんは夫(肺がん→手術)の死亡後2週間で幻覚妄想状態で再発し入院。Iさんの父もKさんの夫も実に面倒見の良い人で、本人たちがかなり調子を崩した時も…

スクールソーシャルワーカー!

少年鑑別所出たて?の舟橋龍一君18歳が、不登校の上村遼太君13歳を殺害した後、俄かにマスコミで脚光を浴び出したのが、スクールソーシャルワーカー。教育界は日教組の昔からアメリカのまねをすることしか出来ないで、精神科校医から始って、スクールカウンセ…

突然四肢麻痺

長期入院中の統合失調症+慢性関節リウマチの70歳♂が全身脱力で易転倒。始めは膝の「関節炎の悪化」を考えたが、あっと言う間に四肢麻痺になった。「ギラン・バレー」?と思って神経内科に相談したら「頚椎症で手術が必要だ」と。近所の大学に相談して、脊椎…

うつ感覚のフラッシュバック

僕のうつ病が寛解し、もう4年になろうとしている。治った当初はうつの時のことは何も思い出せなくて、精神症状は記憶に残らない、と感じたものだったが、この頃、何かのきっかけで、うつ当時の感情・感覚が突然フラッシュバックのように意識されることがある…

薬屋さんの宣伝

今日は大塚のエビリファイの薬の説明会。MRは「この薬は副作用は少なく効果は高い」とおっしゃる。サービスの弁当を食べながらだと、つい聞き流してしまうが、後で考えるに、それは多分誇大宣伝なのだ。←のグラフに公表された副作用の率と効果の率を示したが…

白衣高血圧

今までも時に血圧が高くなる事があったけど、測り直せば正常になっていた。今年になって、測り直しても高いままの事が何回かあって、血圧計を購入し、色んな時に測ってみた。一番高かったのは、外来で診察してる時で、特に新患・急患の診察の後。具合の悪い…

僕の患者さんのブログ

同僚に教えて貰って、今僕の外来に通院中の患者さんのブログを見た。匿名ではあったが、顔写真は彼に間違いない。以前の入院について、任意入院だったのに、「ムリヤリ入院させられた」とあり、施錠しない個室に入ったのに、「保護室に閉じ込められた」とあ…

Nさんの転倒

近所の施設に入所中の81歳♂アルツハイマー型認知症患者のNさんは3年前に右大腿骨骨折の手術をしたのが始まりで、左手骨折→左大腿骨骨折、と続き、今回は右肩関節骨折で4回目の入院となった。まだ歩行も可能で、トイレも食事も自立していた人なので、今回も手…

多数決では決まらない

確か小学3年の時に、「何かクラスで意見が分かれた時は、皆で議論した後に採決をして多数意見を採用するのが民主主義」と教わったが、実際は担任先生様の意見がクラスの意見であることに気づくのに時間はかからなかった。社会に出ても、重大な決定を多数決で…

リーバーマンVSウィタカー

アメリカ精神医学会(APA)の会長ジェフレイ・リーバーマン(The Shrinks-The Untold Story of Psychiatryの著者)と、精神疾患に安易に薬を使う事に反対する現代の反精神医学の旗手ロバート・ウィタカー(mad in america主催、心の病の「流行」と精神科治療薬…

転勤難民

毎年この時期外来が少し荒れる。医局派遣の医師が移動すると、残された患者の中には新しい医師との関係がうまく行かなくなって、所謂ドクターショッピングを始める患者が出てくる。僕は密かにこの患者達を難民と呼んでいる。今年は常勤医が2人も移動したので…

人道支援て何?

最近、国際ニュースから目が離せない。「国連が仲介し、イエメンの停戦が発効し、その間にユニセフが支援物質を配布した」と記事が出た。国連加盟国同士が紛争を始めた場合、人道支援の名の元に国連が紛争地へ食糧等を届けることは常態化している。確か、日…

自己暗示病?

27歳♂新患さん。「人間関係が上手く行かなくなったり、会社で仕事が思うように進まなくなると、自分で自己暗示を掛けて体を動かなくさせてしまうのだ」という。初めての時は22歳で、通勤電車のなかでやってしまい、終点で救急搬送された病院に3日入院したと…

Kさんが退院を諦めた

長期在院中の統合失調症のKさん♂65才は、イワユル社会的入院である。母が本人の具合の悪かった時の事を言い立てて、強硬な退院反対運動を続けていたのだ。僕もケースワーカーも何回となく退院を勧めたのであるが、そのつど母が反乱し、病院に来なくなり、治…

親の死後のサバイバル

67歳♂のTさん統合失調症が「精神症状悪化」ということで救急車で搬送されてきた。慢性の幻覚妄想状態ではあるが、発症後40年一度も入院したことはない。近所でのトラブルは結構あったが、その都度、両親が「家族でガンバル」と外来で通した。仕事は断続的に6…

「手足が勝手に動く」病

今、診断に困っている。パーキンソン病+認知症で入院した患者66歳♂。街中徘徊しそこらじゅうで転倒する。面倒見ていた神経内科の先生がついにギブアップし、当院に入院となった患者さん。彼の言い分は、「足が勝手に動く」というもの。初めは誰も信用しなか…

やっぱ胃廔反対!

末期患者に最後まで口から食べさせたい。そう思う人は多いが、実はそれは殺人行為なのである。僕が研修医の頃は「窒息も誤嚥も寿命のうち」と考えていて、多少具合が悪くても患者さんの好きなように好きな物を食べさせていた。その結果60才過ぎると肺炎で死…

警察が遅い!

グローバリゼ―ションに賛否両論が有るにしても、日本の司法・警察は欧米に対し遅れが目立つ。経済は追いつき追い越せになって久しいのに、この司法・警察の遅れはどうした訳だ? 戦前の高等警察のトラウマもあるんだとは思うけど、未だに日本の警察は「民事…

春がきて、大量殺人

Aさんは女性のベットに潜り込み、Oさんは廊下で歌を歌いながら放尿。Sさんは徘徊スピードが上がって、角を曲がり切れずに壁にブツかった。MさんとTさんは風呂場で殴りあい、K君は幻聴が強くなったと自分の顔を自分で殴って唇から出血。隣の病棟では女性患者…

データを見せてくれ

半分は嫉妬で言うんだけど、斉藤環先生はイマイチだ。彼は余りに建前論だ。彼は先日朝日新聞で、曽野綾子さんの人種差別/区別発言を許してはいけない、と言っていたけど、確かに彼の意見は評論家としては正論であろうが、人種差別/区別問題がどうして起こる…

父の決断

K君もW君も父子家庭で、いわゆる社会的入院中。K君はこの10年で4回入退院を繰り返していて、今度の入院後3年になる。以前はK君の幻聴が移って、父子で転居を繰り返した程の息子思いの父75歳は、最近はくたびれてきて自身が介護保険を受け、また車の免許も返…

加藤智大の死刑反対

内閣府の世論調査では日本では死刑容認派が8割だそうで、死刑廃止派は1割に満たないのだと言う。基本的人権と誤審の現実を理性的に考えるなら、死刑廃止は当然の結論と思う。グローバリゼーションを急ぐなら捕鯨より先に死刑を廃止しなくちゃと思う。が、し…

2階から飛び降りる

2階から飛び降りて救急搬送される人は少なくない。僕の経験の30人の飛び降り患者の中でも6人いる。救急医は「自殺企図」と言うけど、当の本人は自殺を否定する場合が殆どだし、常識的に考えても「2階から飛び降りて死ねる」と思う人はまずいないだろう。先…

拘束は虐待!?

去年ホメた(2014.11.11)制度外老人ホームでの拘束が、区役所で虐待と認定されたと今日の朝日新聞に出ていた。拘束が必要な要介護老人は介護の現場では嫌われ者で、行き場がない。だから拘束老人が精神科病院に集まるのだと思うけど、介護保険から考えれば…