うつ感覚のフラッシュバック

　僕のうつ病が寛解し、もう4年になろうとしている。治った当初はうつの時のことは何も思い出せなくて、精神症状は記憶に残らない、と感じたものだったが、この頃、何かのきっかけで、うつ当時の感情・感覚が突然フラッシュバックのように意識されることがある。その思いだす状況は、職場でのストレスフルな状況（例えば患者の希死念慮に付き合うこと）であり、やはり僕のうつも教科書通り、ストレス→トラウマ→うつとなったのだと理解された。普通の、不安や不快が長引くことに伴う「落ち込む感覚」とは程度に差があるようで、普通の「落ち込み」は日常的な喜怒哀楽に従って濃淡が変動するが、うつ病のうつは他の日常的な喜怒哀楽に影響を受けない位に圧倒的に持続的に（寝ても覚めても）気分を独占するもののように思いだせる。
　幸いそのフラッシュバックうつ気分は数時間で薄くなり、次の日には持ち越す事がないようだ。これが濃い気分のままで次の日に持ち越すようになると、再発になるのではなかろうか、とそんな気がするのであります。確かに統合失調症では、「昔の事を思い出す」のは再発の前兆である。うつ感覚がフラッシュバックし始めると再発に向かうのか、これから自分が自分の主治医になったつもりで観察して行こうと思っている。再発予防策は、「仕事をサボレ」だね。