2011-04-01から1ヶ月間の記事一覧
暴力の治療を求めて精神科に相談にくる人が絶えない。家庭内暴力や虐待の暴力を精神病の症状と錯覚して、「治してくれ」とやってくる。一般科の救急でも、暴力を、わざわざ紹介してくる先生も多い。でも、暴力なんて、果たして医者が治せるものなのだろうか?…
今、認知行動療法が流行である。幻聴は「患者の頭の中でだけのもの」で、「聞こえるだけで他に何をされる訳ではない」。妄想は「邪推」や「深読み」。いずれも客観的な状況に照らし合わせて理性的に行動すれば、自己コントロールは可能であり、それを手取り…
僕の理想の外来診察時間は2分。2分で何が分かるの、と思う人は多いでしょう。その通り、2分ではお互いの表面的な挨拶だけで、後は薬の確認くらいで終わってしまうのです。「どうですか?」→「いつもと同じです」→「じゃ、いつもの薬出しときます」となって、…
今僕の外来患者で、「苦しいから、自殺する」と毎週言いにくる人がいる。こっちを挑発しているのか、何なのか、自殺の場所とか方法をいちいち説明して、こっちも職業上、必死の振りをして自殺を止めようとする技を繰り返すんですけど、それが、もう3か月以上…
某公共放送で被災者にアンケートした結果が公表された。被災者が今一番欲しいものは、<正しい情報>ということであった。<正しい情報>とは、結果が正しく導かれるのに必要で十分な情報、ということなんであろうけど、前にも書いたけど、情報というものが…
東電の原子力災害への補償が話題になっている。有る程度人災的要素も有るようだし、物質的被害に対する補償は必要であることは間違いないでしょう。しかし、精神的被害についても補償すべきだ、という論議はいただけない。精神的被害というと結局PTSDになる…
うつ病が世間に認知され、リワークなるものが組織されるようになって、産業医が重大な判断を担うケースが増えてくると思いますが、僕は、この産業医、というのが信用できない。一流の産業医に会った事がないからだ、と言われればそれまでだけど、だいたい、…
東日本大震災の被害は甚大であり、被災者への救援物資が未だに不十分で、避難所の居住環境の改善が急務である。とは、最近の諸新聞の論調である。でも、僕は、次は仕事だ、と思うのである。被災者で生き残っているいる人の大半は、それなりの職場があれば働…
企業むけのストレスマネージメントを請け負うカウンセリンググループが乱立している。従業員むけのうつ病や自殺予防対策をするそうで、メンタルヘルス対策は、医学的に本当に有効かどうかという議論を飛び越えてとりあえず法律的に対策をとる必要があるので…