親父殿の近況

 僕の親父殿90歳は、脊椎圧迫骨折でただ今入院中。4人部屋のベッドで終日寝かされている(もしもの抑制には同意した)。81歳母が毎日面会に行くのだが、お互い耳が遠いので、大声での会話になってしまったようで、ある日、同室の患者さんに「ウルサイ」と注意されてしまった。それで親父が思いついたのが、伝声管昔の軍隊では、周りがうるさくて会話が出来ない時はそれを使って会話したのだそうな。何のことかと思ったら、ただ新聞広告を丸めただけのもの。でもこれで夫婦で心ゆくまで会話が出来る様になったのだと言う。で、一人になった後、その伝声管を眺めていると、「今まで如何に自分が妻に苦労を掛け続けてきたか」の思いが胸に溢れて、涙が止まらなくなったのだと言う。それで、自ら名付けて「愛の伝声管」。これからの病院の必需品ですかね。