ビビった

アル中老人(71歳男)が自殺企図(首吊り)で、失敗後徘徊中に警察に保護されて、当院に任意入院した。「本当に死のうと思った」と言うが、首に紐の跡もなく、そのきっかけも彼女(65歳女)に振られた、とナサケナイ。3日して取り敢えず酒が抜けて、本人の希望通り退院になったが、その後、「家族からクレームが入って、事務では対処しきれない。家族は主治医との面談を希望している」となって、息子に会ったんだけど、この息子がピカピカのヤクザ。チンピラ3人従えて診察室にご登場となった。広島弁で「アル中だからってちゃんと治療しないんだったら許さんぜヨ」と始まった。何をインネンつけられるのかと思って、久しぶりにビビった。でも、その後は普通のアル中家族の悩みの相談で、「若いもんに見張らせていても、いつの間にか逃げ出して、ツケで酒を飲むので、何とかならないか」、との事。で、アル中の家族の会を紹介して、終わりになったけど、いつもは、アル中家族には、「身内の者が隔離拘束しても誰も文句は言いませんョ」と言うんだけど、今回は怖くて言えませんでした。