2011-01-01から1ヶ月間の記事一覧

自殺予防は不可能

自殺は予防出来る、という自称専門家達がマスコミに出没している。政治の世界でも自殺予防は国の仕事、ということになっている。それなのに、平成22年も日本の自殺者は3万人を超えている。どうしてか? 僕は、自殺できるのが人間だ、と思う。どうしようもな…

隔離拘束は必要悪

精神科病院では、精神病患者さんの暴力や自殺の予防、または認知症老人の転倒防止などの事故防止のために、やむを得ず患者さんを隔離(牢屋みたいな個室に閉じ込める)したり拘束(ヒモでベットに縛りつける)したりするのですが、これが世間では評判が悪い…

幻覚も妄想も体験してます

僕は、精神症状と言われるものをすべて自分でも体験済みである、と思っているんです。幻聴=空耳であり、これは若いころからあったし、去年12月にも娘の声で、悲しそうに「パパーッ」と聞こえてきて、あせって家に帰ったことがありました。自分の良心の声も…

僕(精神科医)はうつ病でした。

当時は認めたくなかったんだけど、実は数年前から、患者さんたちと話すことが苦痛になってきて、楽しみだった臨床が重荷になってきていて、長く付き合っていた患者とけんか別れみたいなことが数回重なって、また、年に必ず1人は出る患者の自殺に耐えられなく…

精神科長期在院患者の退院促進反対!

ここ数年、他の精神科病院に長期在院していた患者が退院し、通院するのでよろしく、との紹介状をもって僕の外来にくることになった人が4人います。保健所なんかがやっている、退院促進事業かなんかに唆されて、というようなのですが、予想通りに本人達は、…

経過の良い患者さんの特徴(2)

経過の良い患者さんと良くない患者さんの違いの実例をあげると、中年の男性で、不眠と仕事の能率が上がらない、という、うつ状態の訴えの3人の例があります。3人とも、休日は息子のリトルリーグの手伝いを数年間続けていて、3人ともリトルリーグの手伝いは自…

経過の良い患者さんの特徴(1)

精神科の医者になりたての頃、また、治療の勉強を一生懸命してた頃は、医者の言うことを良く聞いて、医者に指示された薬を指示された通りに服用し、何でも重大で心配なことは全て医者にアドバイスを求めることが、具合の良くなる秘訣であると信じていました…

気分障害の長期予後

” 昔の躁鬱病やうつ病は、今は気分障害と言われて、精神病じゃないんだそうである。で、その気分障害やうつ病は今や治癒する病気になった、と喧伝されている。治癒するようになったのは、しかし、別に、新しい治療法が発見された訳ではなくて、治癒しない障…