ノルウェーの患者中心医療

ノルウェーのAsgard精神科病院に「薬を使わない医療」を標榜する6床(スタッフ22人)の開放病棟が出来た。ノルウェーで精神科の入院治療で不祥事が続き、近隣諸国に比較し強制治療の比率が高い事が政治的な問題になった2011年に、精神科医療ユーザー達が議会に働きかけた結果、各精神科病院に「希望者には、薬を使わない医療」を行う事が推奨された。その推奨は暫く無視されていたが、2015年に推奨が命令に変わって、初めに出来たのがこのAsgardらしい。患者が薬物の中止や減量を希望し、担当医が認めた人が入院となる。その病棟では、DSMは使わず、患者は自分のカルテの閲覧が出来るだけでなく、カルテに自分の行動を記録する事を求められるらしい。病棟を立ち上げたMagnus Hald DrはフィンランドのOpen Dialogueにも理解を示し、「患者が薬を使わない医療を求めるのなら、医師は患者の意思を尊重すべき」と言い、さらには、「強制薬物治療の代替療法の確立を目指す」とも言っているという。ノルウェーでは現在他にも同様な病棟が準備されつつあるらしいけど、薬なしじゃ、医療でなくても良いんでないのかしら? 昔イギリスのキングスリー・ホールでレイン達がやったよね。見事に失敗したけどね。