2012-07-01から1ヶ月間の記事一覧

共感能力

「精神科医には、誰の話も良く聞けて、優しく同情できる能力があるべきで、その点僕は失格なのだ」と僕の身内は口をそろえる。確かに僕は概して他人に優しくないかもしれない、と、自分でも思う時がある。仕事以外ではなるべく余計な話をしないし、患者さん…

いじめ→自殺の精神病理

大津市のいじめ→自殺について、マスコミで、精神科医が色々説明しているようであるが、いじめ→自殺は自殺一般と同様に社会病理であり、精神医学的な理論づけは難しいと思う。いじめる人やいじめられる人、さらには傍観者や教師や当事者の家族の面々を精神異…

公立中学校の奨める平等主義

近所の公立中学校では数年前から「知的障害者と非障害者の区別を解消する」と称して、なるべく多くの非障害者の授業に知的障害者を参加させているらしい。「今年は修学旅行も区別なしに連れて行った」という話を耳にして、先生方は大変だったろうと思ってい…

いじめ→自殺の裁判に思う

中高生のいじめ→自殺の裁判がマスコミで話題になる毎に<何か隠された原因があるのでは>とコメントされることが多い。原告の家族は学校への不信感を露わにし<真実を知りたい>と言うのが定番であるが、この家族の抱く不信感は、僕らの患者の抱く被害妄想と…

作業所での新・差別

数年前の障害者自立支援法の改正で、知的障害者用の施設、精神障害者用の施設、という区分がなくなって、基本的に全ての施設が精神障害者にも門戸を開くようになったハズであったが、僕の知る限りでは、精神障害者の利用出来る施設は逆に減っている。例えば…