いじめ→自殺の精神病理

 大津市のいじめ→自殺について、マスコミで、精神科医が色々説明しているようであるが、いじめ→自殺は自殺一般と同様に社会病理であり、精神医学的な理論づけは難しいと思う。いじめる人やいじめられる人、さらには傍観者や教師や当事者の家族の面々を精神異常者と決めつけるような論には根拠は全くないし、いじめ→うつ→自殺理論では説明項目を増やしただけだし、管理教育の弊害という意見と自由(ゆとり)教育の失敗という意見にはどちらにも説得力が有るし、「学校という無法地帯」が問題にはなるのではあろうが、単純に警察が対応すれば良いとも思えない。思春期特有の問題かもしれないし大人も含めた問題かもしれないし、日本独特の気もするし人類共通の問題かも知れない。子供達に「自殺するな」のメッセージが足りないとは思うが、ではそのメッセージの届け方は分らない。「お前に金とヒマをやるからいじめ→自殺を防いでみろ」と言われても、僕に引き受ける自信はない。最近つくづく思うのであるが、社会病理に関しては精神医学は無力のようである。いじめ→自殺は理屈では対処出来ない領域なのだと思う。だから皆屁理屈を言っているのだ、と思う。