また、自殺が東電の責任に

 福島の原発事故で避難生活中に自殺した五十崎喜一さんの裁判で、潮見裁判長は、避難生活によるストレスなどでうつ状態になったとして、原発事故と自殺の因果関係を認定し、東電は避難者の中に自殺者が出ることについても予見可能だったと指摘し、原告の遺族に2700万円の支払いを命じた。この裁判長で2例目の因果関係の認定である。1例目の時にもブログ(2014.9.2)で書いたけど、因果関係は裁判では決まらないうつ病の原因は不明である。上図は警視庁の「自殺の原因」のまとめだけど、人間は実に様々な要因で自殺するのだ。以前のブログ(2011.10.05)でも書いたけど、生き残った人達の間での責任のなすり合いは醜いし、不毛だ。うつ病治療を受けさせなかった家族過失ゼロとは言えないだろう。
 自殺予防の観点では、自殺したくても歯を食いしばって懸命に生き続けている人をどう応援するかが大切なのだ。ケンカや裁判でなくて、さらに、お金の問題でもないと思う(震災関連死には一律500万円が賄われる)。東電と被害者と納税者と、どうやって一緒に前を向いて生きて行くかを考えないといけないと思うんだけどね。