同級生が教授に

 大学の時の同級生がこの度目出度く母校の教授になって、祝賀会に行って来た。久しぶりの同窓会のような雰囲気で、懐かしい気持ちがメインではあったが、知らない間にラクなっている人が多くてビックリした。色々肩書のついた名刺もたくさん貰った。肩書のないのは少数派で、エラクなった人は僕の事を、「臨床しか出来ないヤツ」と見下されているような感じがした。今迄そんな事思ったことがなかったけど、どうも何か「臨床一筋」が寂しい雰囲気であった。外科に行った人の多くはメスを置いていた。研修医の指導医として、また、組織運営のリーダーとして活躍してる人達の話には人だかりが多かった。基礎研究やってる友人からは「臨床医なんて人生で精々数十人の命が救える程度でしょ、でも、自分の基礎研究で救った命は多分数十万」と追い打ちをかけられた。同級で「医者辞めて、海外放浪中」なんていう人もいるらしく、ホットな話題であったし、開業医の先生方の話題は専ら政治経済。そして僕ら臨床一筋派は程度の差はあれ皆「自分は報われない」とウチに秘めた不満をもっていた。
 医者になって、あっという間の30年。確かにFor the Patient だけではこの先は進めないみたいだ、とは僕も思う。教授になった彼も「これからは臨床以外の場所で・・・」と挨拶をしていた。僕ら皆、「勲章が欲しい年齢」になっている。さもしいけど、これも本音。