入院患者のいじめ問題

精神科療養病棟にもいじめ問題がある。医者の目の前で、堂々といじめゲームが繰り広げられている。ゲームの主役はジャイアン君。ジャイアン君は、病名は色々であるが、外の世界では彼の障害の為にいじめられていた既往を持つ。のび太君の方も病名な色々であるが、生活能力の低さの為に長期入院中で、日常生活イチイチに介助が必要なので、スタッフとの接触が多くなる。はじめは、ジャイアン君はスタッフのマネをして、のび太君の世話をしている様に見える。それがいつの間にか、イジル感じになり、何時の間にか「いじめている」事が明らかになる。病棟に、いじめは無くならない。どうしたって無くならない。演じる患者は変わっても、病棟内には常にジャイアンのび太はいる。でも実は、彼らの最大の問題はそこにはない。問題は、彼らはどっちにしても、もはや退院不可能だ、という事なのだ。「弱い物同士、お互いに助け合って、励まし合って生活すれば良いのに」と思うけど、どうしてそうならないのかは不思議である。また、患者のいじめが問題になる時は、たいてい病棟スタッフ同志の人間関係の問題が顕在化してくる。だから、いずれにしても、患者のいじめ問題は医者の手に余る問題に発展して行くのであります。