かなりヤバい話(日本初?)

 「認知症患者の暴力にはそれなりの理由があるのだから、周囲の理解があれば予防できる」というのが教科書的な説明であるが、認知症患者に何の前触れもなく暴力が突発するように見えることは日常的である。
 去年、某精神科病院入院中の70歳認知症患者が同じ病棟内で入院中の65歳慢性アルコール中毒患者を殴り殺した、という事件が起こっていて、最近その病院の関係者から詳しい話を聞く事が出来た。事件の起きたのは夕食後。数分前に、加害者が廊下を徘徊しているのをスタッフが確認していた。第一発見者のスタッフは、何らの異常も感じず、個室を順番に回っていて、被害者のいる個室に入って事件に気がついたという。加害者の両手は血に染まり、ベットに横たわっていた被害者の顔は血だらけで、駆けつけた医師の救命努力も虚しく30分後に死亡が確認された。顔に30か所以上の打撲の跡があり、死因は「鼻出血の誤嚥による窒息」とされた、という。被害者は肺炎の回復期で、事件20分前にはバイタルには問題なかったという。事件発症時被害者は、臥床はしていたが多分起きていたが、初めの一発の攻撃で声も上げられずに意識を失ったのであろう、という。加害者は今まで暴力の既往はなく、入院理由は夜間不眠、徘徊で、被害者とは事前には何の関係もなかった、という。事件後、事件について加害者は「知らない」「忘れた」と言っていた、という。刑事は不起訴、民事での裁判はなく、病院は被害者家族にお見舞い金を数十万払って和解したという。…もしかして日本初の認知症患者の病院内殺人事件。もっとマスコミが騒いでも良いのにね。こんなの予防不可能だ。やはり、認知症患者の暴力は危険なのだ。