今度は留置場でのオムツ交換の話
去年、当院に通院中の認知症患者(66歳男)が事件を起こして警察に逮捕された。彼は歩行は問題ないが、尿も便も失禁なので、オムツ交換は留置場ではいったい誰がするのだろうとウワサしていたら、何と当院の看護師が毎日2回、署まで出張して交換をしていたと言うのだ。後で聞いた話だと、警察に頼まれた院長がボランティアで派遣したらしい。それも1週間後には他の留置場へ移されたらしく、派遣はそれで終わったのだが、派遣された看護師の一人は、「一人用の部屋で寝かせたきりで、これじゃ患者が可哀そう」と言ったら、「被疑者の介護は警官の責務ではない」と言われたと言う。で、予想通り、その患者がその後数か月して不起訴となって某病院に入院した時には、やせ細り、そこらじゅうに床ずれがあり、四肢拘縮で寝たきりになっていたらしい。精神科病院では患者の身体能力が入院中に進行しない様にかなり意識しているけど、どうも警察ではその辺はエエカゲンのようでありました。そして責任も問われないんでしょうね。認知症300万人の時代に、警察は対応出来ていない!