精神科病院での暴力被害

「暴力は精神科」という偏見で、人間の暴力に関して勉強せざるを得ない。暴力大陸アメリカでは、拳銃問題にしても、暴力は確かにどうしようもなく「下劣」な問題だけど、その暴力の統計に関しては、きっちりしている。暴力被害者は、1993年には8%だったのが、2014年には2%迄減っている。でも、こんなに多いんじゃ拳銃持つのも止むを得ないと思う。で、問題は、医療の現場でも「普通の精神科開業医は引き出しに拳銃を隠している」事だ。ワークプレイスバイオレンス、と言って、勤務時間中に暴力被害にも統計があって、平均が、0.03%(1万人に3人)なのに医療現場では0.2%、精神病院では1.4%となっていて、確かにこれじゃ何か対策が必要だろう。去年ANA(アメリカ看護師協会)が現場は戦争状態である、と宣言したのも了解される。医療フタッフは暴力に丸腰で対応しているのだから。イギリスでも現場のNsの8%が暴力被害にあっているという。さて、日本ではどうなっているのか?全体では2013年で0.03%であるが、医療現場となると、統計はない。精神科病院スタッフにアンケートを取ると、過去1年間に2-3割、という文献が多いが、アンケートではデータにならないと思う。当院では数年に1件位で、0.1%である。ANA並に何か対策をした方が良い、と僕は思っている。