ストーカーの治療?

警察庁が、ストーカー事件の加害者が精神科医の診察を受けやすくする取り組みを今年度から始めることを決めたらしい。警察官が医師と連携することで治療の機会を増やし、再発防止につなげるのが狙い、と新聞にはあった。この取り組みでは、警察官は規制法違反に基づく禁止命令を受けたり、逮捕されたりした加害者に同意を得た上で、精神科医やカウンセラーに対応を相談し、診察の必要性があると判断されれば受診を勧めるのだという。現状でも、ストーカーが裁判になると、ストーカーは「自分の精神がおかしかったから精神科で治療する」と言えば執行猶予が勝ちとれることが多いと聞く。そして去年の犯罪白書にも、「性犯罪の累犯はカウンセリングで予防可能」となっていた。でも、ストーカー行為の治療なんて、僕には思いもよらないし、エビデンスも知らない。ストーカーで、今迄僕が診察できたのは6,7人に過ぎないけど、それでも言わせてもらえば、「ストーカー行為は治せない」。彼らはする事は実にみみっちいが、精神的な内的世界は、大量殺人犯や放火魔と同じ、がっちり本気のサイコパスだと思う。あるストーカーの捨て台詞を今でも思い出すー「俺に愛された女は観念して黙って愛されて居れば良いのだ・・」。警察庁本気でそんな夢物語を信じているとも思えないので、この前会った知り合いの警官に聞いて見たらやっぱり「現場の人間はそんな事誰も信じていないよ」、と笑っていた。でも、最近の若い先生の中には、「サイコパス、フツーに治せます」なんて人もいるから不思議なんだけどね。