新患さんはリストカッター

 先日の新患はリストカッター。25歳♀だったので、断れずに受けたけど、やっぱり僕には診れないと思いを強くした。本人はそれなりに一生懸命生きている、悩んでいる。両手首に10個位の傷。一つは新鮮。「リストカット止めたい、リストカットを止める為には何でもする」という。近所の心療内科に行ったら「リストカット」の専門医を紹介する、と言われてここに来たと言うが、紹介状は「○○病院外来担当医様」で、紹介元の先生を僕は全く知らない。つまり、たらいまわし。第一、リストカットの専門医など居るものか。本人は不眠もなければ食思不振もない。だから、普通のリストカッターなら、「医者には要はない」と嘯く所なのだ。他人に頼っているうちは進化はない。少し話を聞いたが、問題は多分結婚1年目のダンナとの不和で離婚が近いと踏んだが、本人は「ダンナは尊敬する人で離婚など考えた事もない」と。余りにナイーブなので同情しかけたが、これからの彼女の苦難を考えると、とっても付き合いは無理、と、心を鬼にして「入院希望ならまたどうぞ」と、開業の後輩を紹介した。たらいまわし。素直に帰ってくれたけど、正直僕にはリストカッターは荷が重い、ご・め・ん・ね