4,5階からは飛び降りてはいけない。

リハビリ目的で、N氏45歳男統合失調症が、飛び降り自殺企図後2ヵ月で近くの総合病院から運ばれてきた。骨盤に3箇所ヒビが入り、第12胸椎と第1腰椎と両足踵骨が破裂していたが、麻痺はないという。20歳頃より某病院に入退院を繰り返してきたが、両親死後は帰る所がなくなり、今回は県のアパートを借りて、そこに退院の予定で外泊を繰り返していて、今回問題なければ退院するという最後の外泊中に部屋のある4階のベランダから飛び降りたという。決行する数時間前に訪問看護師が会っているが、異状はなかったという。「1人で生活する自信が無くなったが、病院に、もう退院は延長しないといわれたので、じゃ死んじゃおうと思って方法を考えてたら、患者会での知り合いが、ビルの4,5階から飛び降りれば死ねるよ、と教えてくれたので、決行した」という。
 この、「4,5階」というのは週刊誌的な一般論で、生死を分けるのは確かに4,5階なのだろうけど、その位の階では実際には死に損なって助かってしまうことも多い。僕の知っている飛び降り自殺企図者は20人程度で、「4,5階」の人は全員生存していて、彼らに「またやるのか」と聞くと大抵は「怖くて2度と出来そうにない」と言ってくれるのですが、この前その失敗組のY氏が雑談で、「今度やるなら7階以上だ」と仲間に言っているのを小耳に挟んだ時はびっくりした。飛び降り自殺企図は繰り返すことも多いと言はれていて、また、僕の知ってる飛び降り自殺既遂者5人は皆7階以上での決行なのです。N氏やY氏の今後が不安ですね・・・