子供をダシに使うな

 ある原発反対の会が横浜であって、福島から横浜に逃げてきた家族の子供が「社会の責任者に言いたい、大切なのは命ですかお金ですか」と言っているのをTVで見て、すごくイヤな気持になった。子供を使って他人を告発するのは卑怯だ、と思う。子供の被ばく量を考えると福島では生活が出来ないと思った人は多いハズ。別に逃げたことを卑怯と言うつもりはない。東京のアメリカ人は国外退去だったし、どっかの大使館は広島に移ったくらいだ。でも福島に残らざるを得なかった大半の人の究極的な理由はお金でしょう。「そんな分かり切ってることを、それも自分たちだけで逃げた人に言われたくない」、と残った人は辛い思いで聞いていたに違いない、と思うのです。その子供は自分の親に、「どうして横浜までしか逃げなかったのですか、僕の命が大切ならオーストラリア位まで行った方がよかったのじゃないですか、逃げるお金が足りなかったんじゃないですか」と言うべきだったのだろう、と思います。きっとそのうちその子供は、「自発的に逃げた人への損害も国家が税金で保障すべき」とか言え、と親から言いつかるんでしょうね。