また自殺が労災に

 愛知県の市の課長さんがうつ病を発症後1カ月で自宅で自殺したのは公務災害に当たる、という最高裁の判断が出たらしい。上司のパワハラうつ病を重症化させたという。つまり自殺は殺人とみなす、ということなのだろうか? 法律的な事情はあるにしても、常識的にこれはおかしくないか? その上司が原因なら、その上司が賠償金を払うべきではないのだろうか? 自殺を予見出来なかった、ということなら、それは家族とて同罪だろう。でも賠償金を受け取るのはその見逃した家族なのだ。うつ病の本人が死ぬ前に、上司も家族も協力して、自殺の予防をしなければならなかったはずであろうに。
 うつ病になっても、上司にパワハラされても、それでも耐えて歯を食いしばって生き続けている人は多い。自殺を我慢するのは大変エネルギーがいるようだ。その我慢の原動力は、「家族に迷惑は掛けられない」、「社会に迷惑は掛けられない」という本人の人間としてのプライドだと思う。そうやって生きている人が「社会は自殺の加害者だ」、「自殺で1億円が家族のものになる」、という話を真に受けたら、すぐ自殺を実行してしまうような気がしてならない。最高裁のエライ人は、社会の底辺で自殺もせずに耐えて生きているうつ病の人がいる、と言う事は知らないのかなあ。死んだ人にお金をあげる(家族が貰うのだけど)より、今生きている人の励みになるような判決を希望します。例えば、その上司にいのちの電話のボランティアをして貰う、とか、精神科病院でヘルパーしてもらう、とか、どうかしら?