万引きの治療

 近くの精神科病院で「万引き」の入院治療が行われているらしい。そこから逃げて来た患者(25歳男性)が僕の外来にきた。彼は若い頃からの万引きの常習犯で、弁護士に「裁判で治療を受ける、と言えば執行猶予がつく」と言われ、実際に執行猶予となって、治療の為その精神科病院に先月入院したのだが、3か月の約束だけど、我慢できなくなって昨日逃げ出したという。で、当院の「内科」で受け入れて欲しい、ということだった。当然お断りしたが、その時聞いた話では、その病院には万引きで入院した人が4人入院していて、集団精神療法と称して色んな店に出かけて行って、正しい買い物のやり方を学ぶのだと言っていた。後でケースワーカーに聞いた話では、その病院だけでなく、アルコール依存を専門に治療していた病院などで、アルコールだけでなく、他の依存や衝動コントロールの入院治療を引き受けるようになっているのだという。そういう時代になった、ということなんだろうけど、なんか、違和感ですね。
 刑務所か病院か、君ならどちらを選ぶ