レロス島の現在

 ギリシアエーゲ海に浮かぶロス島。元イタリア海軍の施設があった。それがギリシア返還後の軍事政権時に政治犯の収容所になり、浮浪者の収容所になり、いつの間にか精神病院になっていて、1980年台に、精神障害者鎖に繋がれて裸で収容されているのがバレてスキャンダルになった。島ぐるみの患者虐待が、これが本当にヨーロッパなのか、と衝撃的であった。その後は「EUの後援でイタリアのバザーリア一派が病院の改革解放を進め、ソーシャルファームなどの手法で患者が地域に溶け込んでいった」ハズであったが、実は財政難などで改革開放は挫折し、残された重症患者数百人(最盛期は3300人)の医療品どころか食料も慢性的に欠乏していた、とニュースで知ったのが、4年前。で、去年のパリの自爆テロ犯のウチ2人がレロス島経由でヨーロッパに入っていた事が判明したと知って、またビックリ。この7年間で九千人もの難民がこの島を経由していたのだ。10年位前より行き場のない難民が島のあちこちで生活しだすようになり、元精神病院にも住みつく様になっていたが、ついに今年の2月に、正式に元精神病院の施設の一部を難民収容に充てることにした、という。遠くの日本で正しい情報は良く分からないけど、元政治犯の収容所だった所が精神病院になり、今度は難民収容所になるらしい。患者と難民が同じ施設に入ってもいるらしい。ヨーロッパの難民に対する本音が良く分かる話ではナイカメルケルさん、危うし?