制度外老人ホームはエライ

 朝日新聞無認可老人施設での隔離拘束が記事になっていた。僕の周りでもビックリしている人は多かったが、確かに160人中130人が隔離拘束されているのはレアなケースであろうが、その頻度の問題を度外視すれば、それ以外は僕ら現場の人間にとっては常識的な話である。記者はそこに違法行為(虐待)を予想しているような書き方であったが、多分、事前に承諾を取るなどしているだろうから、これは虐待にはならないと思う。マスコミは正義の味方ぶって、「老人を救え」という主張をしたいようだが、その老人はむしろその「施設に救われた」と考えるべきだと思う。少なくとも、病院から追い出す医者達や、引き受けを拒否する身内達よりは数段エライと思う。日本では隔離拘束が必要な老人は行き場がない。デ・ファクトとしては精神科病院に収容されることが多いのであるが、これを行政は例外として扱って、見て見ぬふりをしている。福祉の最後の砦のハズの特養ですら、隔離拘束は露骨に敬遠される傾向にある。隔離拘束を必要とする老人の入所を断る施設の多い中、隔離拘束を全面に出し、しかも、たぶん事故は起きていない(起きていればとっくに記事になってるハズ)のはエライ安全に隔離拘束をするノウハウはもしかしたら精神科以上に持っているのかも知れない、と期待もしてしまうのだ、ちょっと持ち上げ過ぎかも知れないが…。