強制的な入院相談の仕方
本人が入院希望の場合は、本人が自分の主治医にその旨を言えば、適切な施設を紹介してもらえるでしょう。本人は入院を希望しないが家族は入院を希望する場合も、やはり先ず本人の主治医に相談するのが順当でしょうが、本人の主治医は大抵の場合本人の意向を尊重するので、本人と家族の意向が違っている場合には、家族の訴えはどうしても二の次になってしまいます。「具合が悪いんだから主治医が何とかしてくれるはず」と思う家族は多いのですが、たいていの場合、主治医の方から入院を勧めることはないものです。主治医が強制(医療保護)入院をさせてくれない時、それでも家族がどうしても入院してもらいたいと思う場合には、本人の主治医のいる病院の院長に相談してみるのがベストと考えます。主治医のヘソは多少曲がるでしょうが、「背に腹は代えられない」と思いきる必要があります。本人の主治医が外来機能しかない病院だったり、大学病院だったりする場合には、入院可能な病院の、出来れば院長に相談することをお勧めします。その場合は主治医の紹介状は不可欠です。入院ベットのない所での強制入院の相談は、まず出来ないものと思って下さい。急ぎの場合は、各都道府県別に精神科救急用の空きベットが用意されています。警察や救急車や保健所や市役所は、入院には役に立たないと思って下さい。法律上は「移送」という項目がありますが、これは警察ぐらいしか使えないのが現状です。民間で「移送」してくれる所もありますが、入院する病院が決まってないとダメですし、「移送」料が高いのでお勧め出来ません。後、入院させる病院が決まったら、本人に「どうしても入院してもらう」とキチンと告げてから連れて行くようにして下さい。だまし討ちをする家族がいますが、後で治療に難渋して病院が困ります。本人の具合が良くなれば、入院させた家族の気持ちは理解されるものです。
最後に、近所の迷惑患者を本人・家族の意思に関わらず入院させたい場合は、これは警察にお願いしてみるしか手が有りません。病院に苦情を持ち込まれても、無理な相談です。