安楽死または自殺幇助

難治性の精神病患者に対する安楽死(自殺幇助)の話がJAMAに載っていた。―訳してくれたブロガー(spitzibara2さん)がすでにいます(http://rdsig.yahoo.co.jp/blog/article/titlelink/RV=1/RU=aHR0cDovL2Jsb2dzLnlhaG9vLmNvLmpwL3NwaXR6aWJhcmEyLzY1MDM5MDQyLmh0bWw-)
安楽死が法律的に認められている国や州が有る事は知っていたが、その同じ法律で、精神病患者が自発的に死を希望すれば、医師が自殺幇助出来ることになっている国があるとはこの論文を見るまで、寡聞にして知らなかった。ネタ元は、米国のNIHのKim教授がオランダのデータ(3年間の66例の施行例の報告)を調べた論文。オランダでは、病気に改善の余地がなく、耐えられない苦痛により死より他に選択肢の無い場合に限り、安楽死または自殺幇助が認められるらしいが、実際の症例は「一緒に死のうと約束した夫に先立たれた」とか、「自殺企図で飛び降りで肢を骨折したのに治療を拒否し続けている」例とかあったり、「認知症責任能力に問題」があったり、また、主治医が自殺幇助を拒否しても、Mobile End of Life Clinic(訪問安楽死専門外来?)医が2回往診しただけで、許可しちゃったり、とかなりバラエティーに富む(つまり出鱈目?)ケースがあったとしている。実際2014年の全施行数5306例のうち0.8%が精神病の苦痛によるらしい。その判定のガイドラインはオランダ精神科学会で出してはいるが、判定や施行は医師なら誰でも可能だそうで、実際、Kim先生の報告でも、精神科医が係わっているのは4割程度ということで、びっくりしました。オランダなどまだ良い方で、スイスなどは事実上、希望者は皆、自殺幇助可能となっていて、海外からの自殺ツアーを受け入れる団体があるという。さすが自主自立、自己責任のお国がらですね。でもこれ、ナチのT4作戦(精神障害者安楽死)とどこが違うのかしら? さて、僕の担当の長期入院患者に聞いたらどの位自殺幇助を希望するだろうか?? 聞き方によって違う事は間違いないだろうし、精神障害の定義によっても当然変わってくるハズだヨネ。けど、5割は行くかな? ああ怖い!! 
P.S.:訪問安楽死専門外来ってのも、スゴイね。