薬物性精神病!?

 近所のA精神科開業医からの紹介状の診断の所に「薬物性精神病」と書いてあって、本文に、「○○精神科通院中に抗精神病薬の大量処方によって・・」と続いていた。患者はどう見てもごく普通の慢性期の統合失調症なのに、付き添いの家族が言うには「確かに○○病院では統合失調症と言われたが、A医院で、幻覚妄想は薬物の副作用と言われて、エ××の単剤に変わったのが2か月前。でも、この頃様子がおかしいので、A先生にそう言ったら、「これは難治性だから入院した方が良い」と言われて当院を紹介して貰った」と言う話であった。A先生は某C大学のご出身で、C大学の教授はエ××のデポ剤の推進者で、薬物性精神病とは、supersensitivity psychosis(過感受性精神病状態)のことなんだろうね、多分、とようやく思いついた。で、○○精神科に元の処方を聞いて、同じ薬を処方して、「これ1週間飲んでみて、それでも良くならなかったら入院も考えましょう」と帰したら、1週間後には「普段の彼に戻ったので、これで良い」と言う事になった。その話を医局でしたら、若いM先生に「薬物性精神病」は普通に有りますョ、と反撃された。確かに「大麻が原因の統合失調症がある」なんて論文もあるから、「分裂病は内因性」なんて話は、時代が古いんかね、と少し反省しかけたけど、「時代の流行を追うだけでは精神科医は務まらないヨ」とM先生に言ってやろうと思い直したけど、言えなかったけどね・・
P.S.:エ××のMRにそれとなくA先生の評判を聞いて見たら、「今評判の名医」との返事でありました。