久しぶりにクレーマー

 婦長から気をつけるように言われていたんだけど、精神科に転科が決まった時は土下座するように感謝していた人だったので、油断していた。僕は、この頃自分では自分を「良い人」になったと思っていたので、悔しいやら情けないやら。患者は70歳認知症男性。アパート1人暮らしで寝たきりになり、近所の人を怒鳴り散らすので、警察が保護したけど、衰弱してるから医療優先で、近所の救急病院に搬送されたけど、そこでケア困難とされ、半年前まで当院整形外科に掛かっていたことを理由に当院に転送されたけど、当院一般病棟ではケア困難で、精神科に先月移って来た人だった。その次男が土下座した後、クレーマーに変身していたのだった。「先生の姿勢・話し方・態度が気に入らない」、という。「認知症は治らない、というのを理解出来るように説明出来ないのは怠慢だ」、ともいっていた。「紹介元の救急医には正常圧水頭症の可能性がある、といわれたのに、精神科であることを理由にろくに検査もしていないではないか、差別ではないか」、とも言っていたようだ。30分只管モンク言い続けていた。その後も事務長を呼び出して、僕のモンクを言って、また、帰りがけに「保健所や医師会にも連絡させてもらいます」といったそうな… ヤクザ系ではなかったので、怖くはなかったけど、おかげで数日間落ち込んでしまった。クレーマーは辛い。特に、こっちとしては一緒になって戦っている同志と思っている家族にイチャモンをつけられると辛い。若い頃は「何か誤解があるんでは」と色々弁明もしてみたけど、効果があった事はない。僕の不徳の致す所なのではありましょうが、我慢、ガマン。