認知症治療の治療ガイドライン?

 認知症に伴った精神症状、いわゆるBPSDに対しての、最近のガイドラインは全て、先ず薬物療法だけ、を行う事になっている。そして、非薬物療法効果のない時に限って、慎重に、効果とリスクを十分検討し、本人とその家族に十分なインフォームド・コンセントをした後に、なるべく少量を短期間使うこと、となっている。認知症を含む精神病患者の隔離拘束が社会問題化し、「行動制限は治療ではない」と言われだし、今度は、患者への向精神薬投与までも標準的な治療とはされないような時代になってきているようだ。
しかし、ガイドライン推奨の非薬物療法、と言うものの中身は、要するに上手な看護・介護に尽きてしまっているようであり、だったら初めから病院などに来るな、とすれば良いではないか、と思ってしまう。ガイドラインの解説などには、「患者の怒りは周囲の不適切な刺激に対する反応である」などとあるけど、適切な対応をしているのにもかかわらず興奮するから問題になっているのであり、現場の問題現場の人間の問題に摩り替えるのは宜しくないのではないか? と思う。大体、ガイドラインは「認知症の治療」というけど、認知症は「治療できる病気」ではなく人間の必然の運命なのではないか? 「老人ににやさしく」に異論はないが、医者に「薬を使うな」と意見する前に、「人間は何時か死ぬものだ。死ぬ前には歩けなくなり、食べれなくなって、ボケてくるものだ。人間の寿命は医者には変えられない」と先ず、これらガイドライン冒頭に書くべきではないだろうか。