本居宣長の本音/建前

 彼は江戸時代の国学者で、「天照大神は太陽であり、彼女が現実世界を作った。その神の子孫が統帥するのが日本であるから、世界の国の中では日本が一番偉い。外国の人の信じる、天帝とか仏とかは天照大神の世界創生の話が間違って伝わっただけだ」と言っていたらしい。上田秋成が、「日本は余りに小さい。外国には外国人の崇める神があり、どっちが偉い、という事はないのではないか」と反論したが、それは「学問が浅い」と窘められて終わった(日の神論争)。当時の日本の世論では宣長が主流で、その後の日本も宣長の流れで進んでいったようだ。でも、宣長の仕事はお医者さんで、これは儒教の世界。そして彼のお墓は浄土宗のお寺。当時は天皇ですらお寺にお鎮まりになったようだから、今の常識で物を言うのはオカシインだろうけど、「言ってる事とやってる事が違うのではないか」と思ってしまう。彼は本気で太陽が神だと信じていたのだろうか? 自分が死んだら何処へ行くと思っていたのだろうか?現代日本国家主義者の第1代がこの本居宣長ではないか、と思うのである。