トイレで死す

熊本の地震で、避難民の突然死が注目されている。その中で、「トイレで死んでいた」という人がいたけど、僕の経験でも、トイレで見つかる死者は少なくない。若い頃は、「トイレで死ななきゃいけないなんて、さぞ苦しかったのだろう」とか「苦しくで、でも、Nsには助けを求めないで、取り敢えずプライバシーの保てる場所を求めて・・」などと同情したものだ。でも、どうしてトイレなのか、ホントの所は良く分からなかったけど、ある時、トイレで死にそうになっていた人を蘇生出来たことがあって、蘇生後、彼女の言う事には、「突然の尿意を催してトイレに行こうと思った所までは覚えている」ということであった。彼女は、多分不整脈で脳虚血でショックになって、それを「尿意」と意識したんだろうと考えられた。彼女の言うには、「苦しいとは思わなかった」と。起立性低血圧で失神した時の症状を「吐き気」「便意」と表現する人は少なくないが、失神なら、むしろ快感であろう。で、それ以後は「トイレで死んだ人も、布団のなかで眠るように死んだ人と同じように、苦しむことなく死んでいったのだ」と思う様になって、後ろめたさから解放されたのでありました。
P.S.:また、若い先生なんかで「餓死は苦しいもの」と信じてる人も少なくないけど、これも餓死途中から生還した人達の話では「少しも苦しくなく、むしろ幸せな気分」なのだそうです。