「忘れるな」はムゴい!

御巣鷹山やら、地震やら、終戦記念日やら、マスコミはやたらに「忘れるな」と言う。でも、例えば交通事故でPTSDになった人は、その事故を忘れられなくて苦しんでいる(フラッシュバック)のだ。そして、PTSDが改善してくると「思い出ださないようになれて良かった」と言う人が多い。「じゃあ忘れろって事なのか」と突っ込まれても困るけど、でも人間は、努力して忘れる事など出来はしないと思う。自然に忘れるようになると症状は消退して行くように見える事は間違いない。今PTSDの予防には暴露法が良いとされ、事故を無理やり思いださせようとする治療法がマスコミでは人気があるけど、暴露法はドロップアウトも多く、現場では、決して標準的な治療とは言えないと思う。「放っといてくれ」と言う人も多く、むしろそういう人の方が予後は良いのは常識だ。つまり、<イヤな事は忘れろ>と言うのは昔も今も重要な健康法で有り続けているのだ。だから、マスコミは、被害者には「忘れるな」はむごいと思う。被害者には「忘れているならそれで良い」と言うべきだ。マスコミには、<<忘れられなくて苦しんでいる人のいる事を(加害者、傍観者、若い世代は)忘れるな>>とやって貰いたいと思う。マスコミのメンタリティーはむしろ加害者側にあるんだろうね。被害者の苦しみは、精神的にタフな人には通じないのですね、残念。