小田周二さんの妄想

今年は御巣鷹山の事故後30年事故で子供2人を失った父が只管その原因を追及した、というのがキャッチコピーになっている。父の「こんなことが有り得るハズがない。これは誰か悪い奴のインボーに違いない」の気持ちは理解するが、読んでみるとやっぱりトンデモだった。オーストラリアの首狩り族などでは、「死は常に誰かの呪いのせい」であり、呪った人や呪術師を探し出し復讐するのだというが、父周二さんは苦悩の余り、そんな自分の中の原始人の気持を理性で抑える事が出来なくなってしまったのだろう。絶望して生ける屍になるより、世の巨悪に立ち向かうファイターになった方が幸せなのかも知れない。被害者の無念、被害者の家族の無念、、、精神科医でも受け止めきれないような「正常の狂気」がここにある。
 ・・全ての物体は落ちる。落ちる原因は重力だ。絶対安全な飛行機などないのは、絶対安全な原発がないのと同じだ。現代がリスク社会であることは、人間のせいではないと思う。「悪いのは俺じゃない、あいつらだ」では戦争は止まらない。そんなことはこの父も分かっているんだろうけど。