Sandra Steingard 先生のブログ

アメリカの精神科開業医のサンドラ先生は、「抗精神病薬は身体に良くないから、薬はゆっくり減らしていき(3-6か月で2割減らす)、可能なら断薬しましょう」と主張している先生で、最近自分のブログhttp://www.mentalhealthexcellence.org/tapering-neuroleptics-three-year-outcomes/で自分の患者での薬物減量成績を発表した。この3年間の患者80人で、減量に同意した37人のうち入院してしまった人7人19%で、働けるようになった人9人24%に対し、維持した人32人では入院は1人3%、働ける人5人16%で、但し勝手に断薬してしまった人11人で入院してしまった人9人、という結果であるらしい。彼女は「ゆっくり減量すると働けるようになる」と言いたいらしい。が、残念ながら統計的にはこのデータでの有意な結論は「維持すれば入院予防になる」の方で、だから結論は「薬は減らせない」になるハズですョ。やはり、薬物減量は難しい。でもサンドラ先生にはエールを送りたい。自分の成績を公表するのは御立派です(アメリカでも復職は2割に届かない!)。僕のスタンスは「薬は減らせない」だけど、勝手に減らしたり断薬したりする人が続出するので、結果はサンドラ先生と同じようになってますね(僕の患者の復職率も2割位で低迷中)。薬を減らす意欲のある人は働く意欲も強い傾向があるということではないでしょうか?