自動車運転ガイドライン

 学会で出した患者の自動車運転に関するガイドラインを読んだ。精神病の運転禁忌は根拠がなく、薬の自動車運転禁忌も根拠はない。しかし、具合の悪い時は夜運転を控える、などのアドバイスは必要で、そのアドバイスを患者が聞かない時は、警察に申告すること、とあった。「悪法には従わない」という判断だってあると思うンだけど、結局権力者には従うしかないようだ。負け犬の遠吠え。僕を含め、精神科医は法律に弱い。精神科医は従順だ(患者さんには威張るのに)。医療観察法の時もそうだった。反対していても、いざ法律が成立すると、実に素直に法律に従うことになる。その結果、毎日「イヤナ商売だ」と思いながら患者さんを抑制し続けるハメになる。
時に患者さんに、「支配者の手下に成り下がったのか」と言われることがあるが、その時には、「それは貴方の妄想だ」と反撃することが定石になっています。「精神医学自体が権力の装置だ」と抗議する識者は少なくないが、そんなこと他人に言われなくても僕達自身が痛切に感じている所なのですョ。「患者の味方」は建前なんですね。御用心、御用心。