高齢知的障害者の入院

 ここしばらく長期通院中の高齢知的障害者の入院が続いていて、かなり気分が落ち込んでいる。ケアしていた家族が抱えきれなくなり、また、単身で生活が出来なくなり、続々(3人ですが)入院してきた。関係者は「とりあえず施設が見つかるまで」とか言うが、こういったケースでその後施設が見つかった例はない。犯罪や火事の危険でもあればしかたないが、だだ、「近所で目障りだ」とか「変な目で睨まれた」とかがきっかけとなるようなのだ。こっちが「本人の同意がないと難しい」と突っぱねても、皆で寄ってたかって任意の書類にサインさせてしまう強引さ。では、と期限を切って入院させても、連れてきた親族は雲隠れし、その間に家を壊しちゃったり、住所を移しちゃったりして、「行き場がない」ことになる。先週の事例は、58歳♀。事前には何も連絡なしに、先ず母親80歳を介護施設に入れてしまってから、「単身では生活出来ないから宜しく」と外来に居座られてしまった。全く、慇懃無礼とはこの事だ。
 まあ、地域、と言ってもこの程度なのだね。日本では精神科の病床が減らない訳だ。院長はこれを「すきま産業」と自嘲するが、これで良いのですかね?