退院促進の悲劇

 知りあいの民生委員のGさんの話。T精神科病院入退院を繰り返してたA子さん50歳が、また退院したは良いが、近所でトラブルが頻回で、同居のダンナの母を虐待するなど苦情が多いので、ダンナと一緒に主治医のN先生に入院の相談に行ったら、逆に「このくらいの人は地域で面倒見なくては」と説教されたという。1週間後義母が転倒して硬膜下血腫で脳外に入院し、その数日後にA子さんが、夫婦げんかの時にダンナに殴られて、倒れた時に打ち所が悪くて死んでしまった。Gさんは近所の人と一緒に、A子さんの具合が悪かったことは情状酌量に値するはず、と嘆願書を提出したのだが、裁判ではA子さんの具合が悪かった事は少しも考慮されず、ダンナは死刑の判決で、末期の肝癌であったダンナの入院措置願いも却下され、ダンナは終始「全て自分の身の不徳の致す所」と言いながら、刑務所内で病死したという。Gさんは、入院を拒否したN先生に何のお咎めもないのがおかしい、と主張する。嘆願書提出に反対する人は居なかったし、ダンナは地域でも評判の親孝行者であったのだという。新聞記者数人に記事にしてくれと頼んだけど、ダメだったとのこと。僕もコメントは控えさせていただきましたが、確かに怖い話ですね。