Stahl先生のご意見

 薬屋さんから以前貰ったこの本に、<抗精神病薬統合失調症では陽性症状を軽減させるが、完全に消失させることはない。殆どの統合失調症では症状の完全な寛解はない>なんてさらって書いてありびっくりしている。そのStahl先生のことを「明快で分かりやすい」と翻訳者が誉めている。調べてみたらStahl先生は統合失調症アルツハイマー病と同じ範疇の変性疾患と確信しているようだ。大熊輝雄先生の教科書には、統合失調症治癒率は1/4程度とあるし、WHOの解説には45%回復とあり、去年文化功労章を受賞した中井久夫先生は「分裂病は治せる病気である」が持論のようだし、第一にKraepelin先生だって回復は少なくないと言っているのに…。そう言えば、アメリカでは精神病が進化して、難治化しているというウワサを聞いたことがある。 僕の通院患者について言えば、下り坂の人が殆どで、完全寛解者は0.2%位で、漠然と「治った人は来なくなる」んだろう、と思ってたけど。はたして、精神病が進化したのか? Stahl先生がなのか、中井先生その他は大風呂敷を広げているだけなのか…薬屋の陰謀ってのも考えられそうだ―治らないのは薬のせいじゃない!? 実際はどうなんだろう?