「精神病は脳内化学物質のインバランスが原因」は薬屋の誇大宣伝ですョ

精神病は脳内化学物質のインバランスが原因」という仮説がかなり世間に浸透している。実際のエビデンスは無いに等しいのに、精神科臨床医でもそう信じている人が多いのにはかなり驚かされる。この仮説は実は、薬屋の手先となった医者が莫大な宣伝費を使ってTVや雑誌、新聞で広めた結果なのであります。「精神病は脳内化学物質のインバランスが原因」だから「バランスを保つよう薬を飲みましょう→良い薬があります」となる訳であります。この宣伝が効いて、薬屋さん達は大儲けなのであります。それにしてもこの頃の薬屋さんのインチキ宣伝は目に余る。例えば、非定型坑精神病薬ジプレキサは、糖尿病になりやすいこと、高齢者では肺炎になり易いこと、は実は治験の段階で既に分かっていたのにそれを隠して販売していた。アメリカの裁判でリリーは非を認め、和解金が1400億円。でも、ジプレキサの売り上げは年14兆円もあるので、リリーにとっては裁判で負けるのは想定の範囲内なのでありましょう(日本のイレッサ裁判では薬屋さんが勝ちましたが)。
 医者も金には弱い。2008年にアメリカで薬屋から1000万円以上もらった医者は384人(うち精神科医116人)。日本でも今年から薬屋からもらったお金を発表出来るようにしようとしたら、薬屋でなくて、医者が反対している始末。
 精神科は発展途上の学問。現場は、まるで、金持ち薬屋の資本主義に乗っ取られた植民地。でも精神医療が生き残るにはその薬物を使うしかないことも事実。「薬は毒でもある」は医学の常識。副作用ばかり強調したのでは、患者がやる気をなくしてしまう。せめて勤務医は、薬屋さんのお金に目を眩まされることのないように自戒して、さじ加減を丁寧にしなくては、と考えています。