宝くじの心理

 宝くじマニアに話を聞いた。「宝くじは数学的に当たらないのだから、それでも買う人はバカか騙されている人だ」という議論(A)があり、「当たらない時でも、当たった人の夢を応援した事になる」という人(B)もいるが、両方とも違うのだという。彼は、くじを買う事で「突然、大金が舞い込む」というドラマを作り始め、当たり番号の抽選時にはストーリが完成しているという。ドラマであるから確率などは関係ないし、主人公はあくまで自分で、他人への慈善など考えないという。買う度にその都度少し違ったストーリになって、面白いという。また、宝くじが何時当たっても、それに相応しい人生を歩めるように、と思うと普段の生活にも張りが出るとも言っていて、つまりは、宝くじに当たった人はヒーローであり、そのヒーローに人々は「投影的同一視」するのだ、と結論した。僕は今迄AorBと思っていて、でも、それならAなら暴動が起こらないのが不思議だし、Bなら寄付の方が効率が良いと思っていたので、彼の意見は参考になりました。