老人が町中で捨てられてたらい回し

 70歳の認知症患者が精神科救急で来院してきた。1か月前に隣の町で倒れていた所を救急車で某救急病院に運ばれた。栄養失調状態で、見かねたその病院のケースワーカー(A氏)が保証人になり、当市の無認可老人施設(B)へ退院。そこで滅裂な行動をする、というので追い出され、行き場がないということであった。患者が承知したので入院となったが、さて病歴が分からない。本人は記憶障害が強く、どっから来たかも言えない。妻は死んで子供は居ないという。左眼視力ゼロで右眼は矯正しても0.1。2週間して落ち着いたが、さて、今後どうするか、となった。介護保険は受けており、年金も銀行には振り込まれていて、先月までは引き出されていた。保険や年金の住所地は半年程前より更地になっていて、その前には貸家があったという。ウチのケースワーカーが元大家を探してそこに1年前まで住んで居たことを確かめた。借りた時の保証人は子供(居たんですね)になっていた。その子供に連絡したら、もう20年も前から絶縁で会ってもいなし今後会うつもりもないという。保証人の件は知らないという。介護保険認定は隣町の地域包括在宅介護支援センターで、半年前に受けていて、要支援(目が見えないのに)。隣町のセンターは「Bに移った時点で担当外になった」から今後の事は当市へ相談しろ、と。当市のセンターは「隣町で認定を受けているのだから隣町に」相談しろという。B施設は無認可だから引き受ける義理はない、とそっけない。A氏は「銀行のハンコは救急病院入院後新たに作り直した」、「患者が死んだら引き取る、Bにもその条件で入れて貰った」という(A氏は別の市で寺を経営し、無縁仏を引き受けるNPO代表)。A氏は御立派にしても、このたらい回し、何とかなりませんか?あと、借家から居なくなってからの1年間は誰の世話になっていたのだろう?隣町の包括センターが事情を知っているハズである、と僕は疑っているのでアル。