「心の専門家」はいらない?!

 小沢牧子先生の書かれた、「心の専門家」はいらない、を読んだ。現在カウンセリングは社会が人間を管理する技術となっていて、カウンセラーは社会問題をクライアント(相談者)の心の問題に置き替えることで社会が問題視する人間を社会から適切に排除するシステムの一役を担わされているが、そんなカウンセリングはクライアントには必要ないのではないか、それよりクライアントの周囲の人間(非専門家たち)がクライアントが社会の中で孤立しないようにサポートする方が大切なのではないか、といった内容であり、僕も全く同感であります。この頃は、「俺に(だけ)は迷惑掛けてくれるな」と言う人ばかりで、「俺(達)が支える」、という意気込みの人がいない。「困ったらカウンセリングへ回せ」ではクライアントの悩みは解決しないと僕も思います。スクールカウンセラーと称する非常勤学校職員や震災カウンセリングと称する俄かボランティアも、心理学を齧った人より素人(出来れば体育会系)の方が上手く行くように見えます。精神科医の中にも自称「心の専門家」はいっぱいて、これらの大先生には必ず取り巻きの患者達がいて、確かに彼らの外来はいつでも満杯で、待合室にいると、「何年も診て貰ってるけど、先生の治療は何時でも素晴らしい」なんて聞こえてくるんだけど、何年も通院して治らないんなら治療は失敗してるよね、と思ってしまいます。治せないから溜まってくるんですよね。騙された患者は騙されたままならその人は幸せなんだろうけど、治療を受けるのが人生じゃ誉められたものではない、と僕は思います。「先生、それって新興宗教ですか?」、と面と向かって言えたらなぁ…。