精神療法って何だろう

 精神科の医者が診察すると、精神療法をしたことになり、保険で点数が付きます。精神科の技術料、という訳です。内科医などと、どこが違うか、というと、内科などの技術は、はっきり目に見えることが多いけど、精神科の場合は、目には見えない患者の心の中を扱うことが違うのです。普通のインタビューともちがって、患者本人も意識してないような、心の奥深い所の現象を扱うことが違う訳です。そういうと、「心を見透かされるのか」と誤解されることが多いのですが、そんな、テレパシーみたいな超能力ではなくて、患者が自分で自分の心の中を内省する時に、上手に内省出来るように手伝いをするのが精神科医の仕事です。人間は皆、他人と会話する時に、話すことで自分の心を掴み直すことが可能となるもので、他人に何か反応してもらうことで確信を持つことが出来るようになるもので、その原理を患者の治療に役立てるのか精神療法であろう、と僕は思っています。たまには「俺は薬だけでいい。医者とはなすのは無駄だ」という患者さんもいますが、そういう人とも話をしてみると、それなりにスッキリされるようで、点数取ってもモンクを言われることはありません。奥田英朗の伊良部一郎とはちょっと違いますが、村上春樹アンダーグラウンドでのインタビューが精神科医の視点ですね。「5分で何が分かるものか」という人もいますが、とにかく何か話してくれれば、何か参考になることはアドバイス可能です。本当の事を言うのが条件ですがね。でも、本当の事を言う、というのは慣れない人には、結構難しいみたいです。あと、精神科医信用してもらわないと上手く行かないですね。現実の精神科医の日常がどんなに怪しくても、信用して貰わないとダメですね。大丈夫、プライバシーは守ります