薬飲まないのは誰のせい?

精神病の患者で勝手に薬を止めちゃって具合が悪くなり、困った親族や近所の人が精神科病院苦情をいってくることがある。「お宅の患者でしょ、責任とってよ」と言う言い方で、まあ、一般市民ならしかたない気もするけど、警察や、救急者や、救命救急センターからも言われることが有るのには毎度びっくりである。
 先日も、突然大勢(警察付き)で元・患者(数年も前に、それも以前いた常勤医が、数か月入院させたことがあるらしかった)をムリヤリ連れて来て、「入院させるのが当たり前」みたいな言い方をされた事例があった。そして、その患者が僕に、タバコやら外出やらの入院の条件を言い始め、家族は誰が入院費をはらうのか、押し付け合いを始めた…
 患者だって人間なんだから、薬を止める自由はあるハズである。でも結果が社会迷惑になれば、法律通りに、医療観察入院や措置入院(責任は警察)、医療保護入院(責任は保護者)させれば良いのであって、それはそういう手続きをすれば良い訳で、病院に責任などある訳はないハズであろう(どうしてそうなるかというと、精神病患者はつまりは犬猫扱いなのである、と分かってみると悲しい話ではあるが)。
 責任の大半は患者自身であろう。薬を止めれば具合が悪くなるのを承知で止めるのだから、アルコール中毒患者の未必の故意結果責任)と同様に、患者の自己責任であるのでしょう。医療は契約行為であるのだから、そして、服薬が契約の条件なんだから、患者が薬を止めた時点で、契約は成り立たなくなるハズであろう。だから、本来は、勝手に薬止めちゃった人は、その後病院に来てもらっても困るのである
 もう、どうして僕が、この修羅場を仕切らなきゃいけないのか、まったくもって不条理である!!!。精神科医にだって患者を選ぶ権利はあるハズだ!!!! ないのかナア。