中年の精神科医に同情を

 精神科医消耗品、でも書いたけど、臨床医には旬がある。僕の場合は50歳頃がピークで、その後5年で、そろそろ賞味期限が迫っているようだ。僕の大学の後輩が48歳で勤務医やめて引退中。「これからは医者以外のことをしたい」と言っていたが、羨ましい気がしている。90才過ぎても元気一杯で仕事バリバリのお化けのような先生もいるのは確かだけど、空威張りに見える先生も多く、かなりの先生が自分で安定剤を処方しているのは周知の事である。大学の教授達が元気に見えるのは、彼らは教授になるまでは碌に臨床してないからではなかろうか、と勘繰っている。
 若い頃は患者と話すと力が沸いて来たものであるが、今は、「患者に力を吸い取られてしまう」と被害的になる事も多い。患者さんを励ました後で自分がゲンナリしてしまうことも増えた。では如何するか? 対策として、その疲れた感じを前面に出して仕事をしてみた。すると、結構周りのスタッフがフォローしてくれたりして、返って上手く行くこともある事に気づきました。馴染みの患者とお互い慰め合って生きるのも悪くないナ、と思ってます。