NICEガイドライン改定

英国の統合失調症患者の治療指針が改定された。ざっと読んだが、薬を拒否する患者さんに対する配慮にビックリ。指針では、薬物投与は、副作用の説明も行って患者さんが服薬を承知した場合のみとされ、患者さんが薬物を拒否した場合は、薬物療法を行いながら様子観察するのだという。暴力的な患者には別の指針が有るからなんだろうけどね。そして、初発の患者さんには先ず地域で、先ずCBT認知行動療法)で、とも記述されてあった。この薬物療法の凋落はどうしたことだ? DSM-5に代表されるような、極端な薬屋さんエコひいきの指針も問題だけど、このNICEの反・薬物も問題だ。そういえばアメリカのNIMHのトーマス・イーゼル所長も去年「統合失調症患者の薬物療法の有効性は未だ確立されていない」とコメントしていたのを思い出した。精神科には流行があり、潮目が変化した、と言う事なのだろうか? でも実際の所、薬物以外で患者さんの症状を抑えられるのだろうか? 僕は薬飲まない患者さんはお断りダし、副作用の説明は症状が回復してからだし…。患者中心の治療、といっても、刑務所に居る自由、ホームレスになる自由、じゃ、しょうがない気もしますがねエ。EBM(科学的な証拠に基づいた治療)も少し行きすぎた気もします。まあ、ガイドライン所詮ガイドラインだけどね。