こわい夢をみた

大勢に追いかけられている。暗闇を一生懸命逃げるけど、後ろを振り向いた途端、ナイフで左胸を刺され、僕は倒れた。…暗闇。場面変わって、また逃げている。今度は突然前に立ちはだかった人がナイフで僕の左胸を刺した。場面は真っ赤に染まった。…また場面変…

入院患者のいじめ問題

精神科療養病棟にもいじめ問題がある。医者の目の前で、堂々といじめゲームが繰り広げられている。ゲームの主役はジャイアン君。ジャイアン君は、病名は色々であるが、外の世界では彼の障害の為にいじめられていた既往を持つ。のび太君の方も病名な色々であ…

精神科病院での暴力被害

「暴力は精神科」という偏見で、人間の暴力に関して勉強せざるを得ない。暴力大陸アメリカでは、拳銃問題にしても、暴力は確かにどうしようもなく「下劣」な問題だけど、その暴力の統計に関しては、きっちりしている。暴力被害者は、1993年には8%だったのが…

5人抜き

認知症の患者が寝たきりになり、意識がもうろうとする時間が増え、嚥下が困難になってくる。そうなると人生の終末期だ。家族と相談し、「点滴などしない」となると数ヶ月でご臨終となる。「点滴くらいは、、」となるとまだまだ先は長くなる。でも、それでも…

医者の病識

精神科医が精神病になった時、自分に正しい診断が下せるか?実例が石田昇(長崎医専精神病学の初代教授)先生。アメリカ留学中に統合失調症を発症し、被害妄想で同僚を射殺し、責任無能力であちらの精神病院経由で松沢病院に送られた。秋元波留夫先生が「先…

年を取って、意地悪になった

年を取ったら楽に生きられると思っていた。健康寿命が男70として、あと残り10数年か。もう開業はないし、でも、このまま臨床を続けるのも患者に悪い気もするし、日野原先生みたいにオバケになるのも良い気はしない。でも家族は働けるうちは働いてほしいと言…

認知症ターミナル患者のケア

僕の病棟で拘束が増えているのは、要介護の認知症高齢者のせいだ。スタッフが幾ら一生懸命「患者中心医療」を心がけても、拘束が増えるのは仕方ない。あちこちの病院から「拘束しないと治療にならない」人達が集まるんだから仕方ない。点滴抜かれたんじゃ医…

BZは嗜好品!

この頃評判がイマイチのベンゾジアゼピン(BZ)系安定剤。長期服用で「骨折しやすい」とか「呆けやすい」とかに加えて、この頃は「寿命が短くなる」と言われだした。確かにリスクはあるようだけど、不眠や不安に効果は抜群なのは確か。この頃のEBMで、うどん…

ホーディングディスオーダー、知りませんでした!

精神障害の診断・治療には流行があるから、僕(年寄り非・専門医)は新患は診ないのが世の為人の為、と思うんだけど、若い先生の都合が悪かったりすると、新患を診させられる事になる。外来スタッフは新患を嫌がるのは「僕のサボリ癖」と気にしない様子なん…

「僕は妊娠した!」

50歳の統合失調症のM君が、数十年前から時々妊娠するので対処に困っている。男の妊娠妄想は結構いて、でもきっかけは普通は肥満とか便秘とかなので、そちらの治療をすると自然に訴えなくなるんだけど、M君の場合はそうはならなかった。カルテによると、初め…

親父殿ピンチ!

この頃は定期的に親父殿を見に(診にではない)実家に行く。相変わらず失神は繰り返し、遂には主治医の医院の待会室で倒れたが、主治医は「脳外病院に行って」とワンパターン。お袋様が限界で、先週は久しぶりに救急車を呼んでしまった。行った先の某救急セ…

遺骨の始末

熊本の地震で行方不明となっていた大和晃さんの遺体を、家族が頑張って遂に見つけた。インタビューで父親が「やっと晃が家に帰って来られる」と言っていた。僕の周りの人達も皆素直に喜んでいたけど、僕はどうして骨がそんなに大切なのかがイマイチ理解出来…

ナショナリズム

ナショナリズムは精神医学的には「妄想」だと思うけど、吉本隆明の言う「共同幻想」だから、強制的には治療が必要とはされない。イギリスはこの妄想でEUを離脱してしまったし、ドイツでは移民排斥の怪しい雰囲気が漂っている。精神病患者で、ナショナルに…

広島キノコ雲は火災が原因?

有名なこの(←)キノコ雲。「ピカドンの直後発生した」と原爆記念館にも表示されてるし、今迄それにクレームが付いたことはなかった。でもこの写真は、「直後では有り得ない」、と原爆を開発した米ロスアラモス国立研究所が今年5月に明らかにした。「写真の…

ビビった

アル中老人(71歳男)が自殺企図(首吊り)で、失敗後徘徊中に警察に保護されて、当院に任意入院した。「本当に死のうと思った」と言うが、首に紐の跡もなく、そのきっかけも彼女(65歳女)に振られた、とナサケナイ。3日して取り敢えず酒が抜けて、本人の希…

認知症治療の治療ガイドライン?

認知症に伴った精神症状、いわゆるBPSDに対しての、最近のガイドラインは全て、先ず非薬物療法だけ、を行う事になっている。そして、非薬物療法が効果のない時に限って、慎重に、効果とリスクを十分検討し、本人とその家族に十分なインフォームド・コンセン…

近頃の老人は・・

老人の個性というか病状というか、10年前とは大分変わって来たように思う。とにかく皆ワガママで、子供っぽいというか、我慢が足りず、自己主張ばっかり強い割にノミの心臓で、痛みや悩みにはカラッキシ弱い(2013.8.13参照)。そう思ってたのは僕だけでなくて…

暴力は減っている

世界には、犯罪、テロ、戦争、内戦、紛争、レイプ、ジェノサイドなどの暴力事件が溢れている(様な気がする)。世界で毎年160万人以上の人が暴力被害で死んでいるらしい。アウシュビッツ収容所での犠牲者数が150万であることを考えるとこの数字がいかに凄い…

レロス島の現在

ギリシアのエーゲ海に浮かぶレロス島。元イタリア海軍の施設があった。それがギリシア返還後の軍事政権時に政治犯の収容所になり、浮浪者の収容所になり、いつの間にか精神病院になっていて、1980年台に、精神障害者が鎖に繋がれて裸で収容されているのがバ…

サインバルタが慢性腰痛症に適応

抗うつ薬のサインバルタ(僕が今飲んでる薬)が慢性腰痛症の適応を取った。整形外科のDrへの説明会に聞きに行ってみてビックリした。まるで同じ薬とは思えないような説明であった。副作用が50%というのだが、確か精神科では90%、と言う事になっていた。精神…

植松聖の責任者は誰だ

今日未明の19人を殺したらしい植松聖(左端)は、精神科病院に2月19日に措置入院し、3月2日に退院していたという。「精神科に入院までしたのにどうしてこの惨事を防げなかったのか」と周囲の人に聞かれる。宅間守(2人目)の時もそうだったし、平野達彦の時…

向精神薬受難

薬は匙加減。でもこの頃は向精神薬(抗不安薬、抗うつ薬、抗精神病薬など)への風当たりが強い。確かに副作用は多彩で、効果は主観的な判断になるので、客観的な有用性となると、差し引きで微妙な所だ。でも、例えば癌末期などのモルヒネなどはむしろ推奨さ…

認知症病床が足りない

日本慢性期医療協会の武久洋三会長は6月30日の記者会見で、増加が予想される認知症高齢者への対応策として、精神病床を一般病床に転換させた上で、精神科医と総合診療医が共診出来る態勢にすべきだ、と言った。彼は7万床は必要だろう、と言った。何で一般病…

韓国・中国の精神科病院事情

■韓国;朝鮮民族にはDSM認定の「火病(怒りを抑えることが出来なくなる精神病)」があり、この疾患に年間12万人が罹患する。30万人の呪術師がいて、「精神病は先祖の悪行の祟り」とやるらしい。自殺は10万人当たり32人(日本は23人)。精神科病院が急増中で…

自動車交通事故死は偶発的?

73歳男性がアクセルとブレーキ踏み間違えて、横断歩道通行中の7歳児を死なせてしまった事件の公判が先日あった。運転者は執行猶予付きの3年禁固で、裁判官は「事故は偶発的」と言った。執行猶予つきの3年と言えば、自殺幇助並みの扱いだ。児童の父は「○○が戻…

がん放置療法の波紋

去年は近藤先生のがん放置療法が話題になりましたが、先月、その近藤先生の信者(子宮癌、49歳女)が精神科に入院して来た。3年前に癌が見つかった時は手術を勧められたが、拒否。今年2月にメタメタで近くのホスピスに入院したんだけど、そこで「スタッフの…

夫婦で入院

夫は躁鬱病50歳で妻は統合失調症45歳。20年前に結婚し2人で支え合って生きて来た。今まで再発が夫4回、妻3回。片方が再発した時は片方が保護者になって医療保護入院なんて事もあった。今年1月に夫が躁状態で再発し、任意入院したけど、1週間で夫が「退院する…

休職者多発の原因

統合失調症45歳男、独身。2回再発後、ずっと寛解状態で、20年間服薬しながら働いていたが、ちょっとした人間関係で躓いて、「自分でも少し考えすぎだとは思う」と言ってはいたが、その後落ち込むことが多くなり、「少し会社休みたい」というので、1週間位の…

老衰のハズが・・

躁鬱病81歳女性。心筋梗塞と大腸癌で手術後。「最近食事量が落ちてきた、うつが再発したのではないか」と家族。確かに表情も優れず、動きも鈍い。維持で飲んでた坑うつ剤を増量したら返って動きが悪くなり、終日臥床となってしまったので、とりあえず入院し…

本居宣長の本音/建前

彼は江戸時代の国学者で、「天照大神は太陽であり、彼女が現実世界を作った。その神の子孫が統帥するのが日本であるから、世界の国の中では日本が一番偉い。外国の人の信じる、天帝とか仏とかは天照大神の世界創生の話が間違って伝わっただけだ」と言ってい…